スイス在住の資産家が殺されたニュースですが、殺人事件の悲惨さもさることながら、気になるのは資産家のファンドマネージャーの投資手法です。
テレビレベルでは小型株中心の投資をしていた程度の報道しかないようです。
さらにその資産運用手法をぐぐってみたところ、「闇株新聞」に詳しい記事がありました。
(以下引用)
今回事件に巻き込まれた霜見氏とクロニクルの関連は、霜見氏が管理しているJapan Opportunity Fund がクロニクルへの投資をしていることだけです。
まず2007年4月2日に、クロニクルの新株予約権付社債を13.5億円引き受けています。これは総発行額27億円の半分で、転換価格が27円(注)なので5000万株分となります。
(注)クロニクルは2010年11月に1:10の株式併合を行っているため、現在の時価(22円)は約12分の1となります。
これは大量保有報告書が提出されており、それによりますとJapan Opportunity Fundは、その直前の2007年1月26日に設立されています。(略)
提出されている大量報告書はこの1通だけです。(略)
新株予約権付社債発行で得た27億円は、ある非上場会社の買収資金(32.9億円プラス5222万株の株式交換)にそっくり充てられています。オリンパスの手法が思い出されるのですが、一応年間経常利益が9億円あると書かれています。
(中略)
Japan Opportunity Fundに話を戻しますが、その次の登場が2011年12月発行の新株予約権480個(4800万株・行使価格20円)のうち72個(720万株)を引き受け、さらに
2012年6月に他の投資家から譲渡を受けて合計210個(2100万株)にしています。
ただクロニクルの株価は、少なくとも2012年の前半は30円台で、権利行使をすれば十分に利益が出ていたにもかかわらず、20個(200万株)行使しているだけです。
要するにJapan Opportunity Fundが、あるいは霜見氏が、主体的な投資活動をしていたとは思えません。またクロニクル以外の銘柄に投資をしていた形跡も、霜見氏が他のファンドを管理していた形跡もありません。
ましてや外国の投資家が運用資金を預けていたとも思えません。また霜見氏が日本で投資家を募っていたとか、投資案件を探していた形跡もありません。
報道されている霜見氏のイメージ(資産家だとか)と、実際の活動は大きくかけ離れているのです。
つまり霜見氏の日本におけるJapan Opportunity Fundの存在は、クロニクル関連しかないのです。
そしてクロニクルは先週末(1月25日)に、過去の有価証券報告書の訂正を示唆するIRを出しています。つまり過去の決算で不明朗なところを金融庁(正確には証券取引等監視委員会の開示検査課)に指摘されたはずです。
(引用終了)
続編もありそうなので、楽しみです。
が、ここまでの説明だけだと良く分かりません。なぜクロニカル1社に限定して投資していたのか。何故ここに投資すればいけると思ったのか。
もっと言うと、怨恨で殺して土地を買い取ったところに埋めるという周到さがありながら、なぜ容疑者は自殺を図ったのか。個人的には謎だらけの腑に落ちない事件です。
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ちなみに投資先と言われるクロニカル(9822)の指標を見てみます。


見事に赤字続きのボロ株ですね。
なのに凄まじいほどの流動性です。

こういう株をいじったこと無いのでよく分かりませんが、どういうことなのでしょうか。
1,2円の値動きで鞘を取るような手法なのか。
(参考)
※
新株引受権付社債(しんかぶひきうけけんつきしゃさい) ・・・発行会社の新株を一定条件で買い付けることのできる権利(すなわち新株引受権)が付けられていた社債。
新株予約権(しんかぶよやくけん) ・・・株式の発行会社に対しこれを行使することにより、この予約権発行後の一定期間内に、その会社の一定数の株式を一定の価格で交付を受けることができる権利をいう。
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